こんにちは。木地師の辻正尭(つじまさたか)です。
僕は年間350日くらい毎日仕事で椀木地を挽いています。

「お椀や漆塗りのオリジナル作品が作りたいけど、図面が苦手。でも図面が描けないと椀木地の注文ができない!」と思っていませんか?

そんなことはありません。図面が描けなくても椀木地注文はできます。

今日は、図面が描けなくても椀木地注文できる簡単な方法をご紹介します。

ラフスケッチが描ければ椀木地注文ができる

結論から言います。

図面が描けなくても、ラフスケッチが描ければ椀木地注文することができます。

ラフスケッチとは以下のようなものです。

上のラフスケッチはごく普通のノートに手書きで描いたものです。
ラフスケッチとは、お椀を始め、プロダクトのデザインを考えるときに描くスケッチになります。

デザイン画と呼ばれるようなものから、ザックリとしたイメージを書き記しただけのものまで、描く人によって書き込まれた情報量がさまざまです。

一つ言えることは、作家さんやプロダクトデザイナーさんに限らず、ラフスケッチは全ての物づくりの場面の最初の段階で描かれます。

グラフィックデザインやWEBデザインの世界でももちろん始めはラフスケッチから始まります。

物を作るとき(デザインするとき)には必ずラフスケッチを描くことになるのです。

ラフスケッチと図面の違い

ラフスケッチを描いてデザインが決まったら、そのラフスケッチを元に通常は図面に起こしていきます。

ちなみに、図面とは以下のような物です。

上記の図面は手書きになりますので、ラフスケッチのさほど変わらなく見えますが、
ラフスケッチと図面の違うところは、図面は断面図であったとしても実際の寸法(比率)に限りなく正確に描かれているところです。

図面を描くためのアプリケーションで制作されることもあれば、写真のように方眼紙を用いられることが多いのはそのためです。

それに比べ、ラフスケッチは大まかに描かれているため、細部の比率やアールの角度が実際とは違うことがあります。

上の図面は、ごく普通の汁椀の図面なのでシンプルですが、作るものが複雑になればなるほど、図面も複雑化します。
そして細部の寸法に正確さが求められます。

通常はこのような図面を送っていただき、細部をお電話で打ち合わせしながら椀木地を製作します。

ですが、ラフスケッチでも製作可能なんです。
理由はラフスケッチと図面の共通点にあります。

ラフスケッチと図面の共通点

ラフスケッチと図面の同じところは、高さや直径、幅、薄さ、角度など、お椀を挽くのに必要な寸法がしっかり(または大雑把にでも)描き込まれているところです。

ラフスケッチがしっかり描き込まれていれば、どんなお椀(椀木地)が作りたいかは大体わかります。お椀を挽くのに重要なのは、デザインが決まっていること、お椀の寸法が9割型決まっていることです。
中でも、お椀の高さや直径、高台の高さは、重要なサイズになりますのでしっかり決まっているのが良いでしょう。

さらに椀木地の厚みをしっかりと決めるのがいいでしょう。
特に口縁の厚みや高台縁の薄さでお椀を持った時、口をつけたときの印象が大きく異なります。

お椀の厚みはお椀を作る上で重要な要素です。
様々なお椀を見た上で、自分が求める厚みを決めましょう。

塗り上がった後のお椀を想定した上で、できるだけ具体的な寸法を書き込みましょう。
そうすることで図面に起こさなくても椀木地注文ができます。

ラフスケッチが描けたら写メを撮影

ラフスケッチが描けたらお手持ちのスマホで写真を撮りましょう。

撮影の注意点がこちら
・撮影したラフスケッチが暗くならないよう明るい場所で撮影する。
・手書きの文字や線がしっかり写るよう撮影する。
・なるべく紙に対してカメラが斜めにならないよう真上から撮影する。

これらに気を付けていただければ十分です。

辻椀木地木工芸では、これらに注意して撮影した写真をスマホから「info@wankiji.com」までメッセージに添付して送っていただいています。
そして送っていただいたラフスケッチを元に、お電話等で細かく打ち合わせさせていただきます。
(※図面の場合も同じように細かく打ち合わせしております)

特に、寸法として描かれていない部分を細かく聞き取りしています。
またこの時に、不安な点や疑問点、要望などを一緒にお聞きしています。

もちろん、ラフスケッチまたは図面を送っていただき、お見積もりをさせていただいてから注文をするかどうか決めていただくことになります。

このように、自分の漆塗り作品が作りたい!漆塗りのお椀が作りたいと考えている人で、
「オーダーメイド椀木地を注文したいけど、しっかりとした完璧な図面が必要なのでは?」と考え躊躇している人が多いように思います。
しかし、手書きのラフスケッチからでも椀木地注文が可能なんです。

そのためには、どんなお椀を作りたいかなるべく描き出しましょう。

まとめ

今日は、椀木地の具体的な注文方法について解説しました。

結論:ラフスケッチが描ければ椀木地は注文できる。

まずはラフスケッチを描いて自分がどんな作品やお椀を作りたいか、明確にしてみてくださいね。

 今回も最後までご覧いただきありがとうございます。