こんにちは。木地師の辻正尭(つじまさたか)です。
僕は年間350日くらい毎日仕事で椀木地を挽いています。
今日は辻椀木地木工芸が「漆作家さん向けに椀木地WEB注文を行う理由」についてお話ししていきます。

WEB注文を受ける理由

1個からの椀木地注文は決して効率的な注文方法ではありません。
椀木地制作は、木地の形が変われば型を1から作る必要があるため1個でも10個でも100個だとしても、最初にかかる手間が同じだからです。
木地屋としては、1個の型でたくさん木地を挽いた方が手間も少なく効率が良いのです。

しかし僕は、個人の作家さんこそ質の高いオーダーメイドの椀木地を必要としているのではないか?と考えています。なのでオーダーメイド木地のWEB注文を始めました。

漆作家さんに細かいこだわりを妥協することなく形にしてほしい。あなたに納得のいく椀木地を届けて、納得いく作品を作ってほしいし、その出来上がった作品を見たいと思っています。
そのため、最初の打ち合わせではしつこいくらい聞き取りをします。
作家さんの作家人生もサポートしたいと考えるからです。

納得のいくお椀を作りたいが、納得のいく木地が手に入らない

まず、個人の作家さんが椀木地を注文しようと思うと、なかなか思った通りの木地が手に入らない現実があります。
この記事を読んでくださっている作家さんや、作家を目指している方なら納得いく事実だと思います。

ではなぜ、思った通りの椀木地が手に入らないのか。
椀木地が手に入らいない原因には以下が考えられます。
〇木地師の減少
〇木地師と知り合えない
〇1個からの注文は受けてもらえない
〇WEB対応している木地屋が少ない

このような理由で椀木地は漆作家さんの手に入りにくいのですが、作家さんにとっては死活問題です。
それぞれの原因について詳しく解説していきます。

木地師の減少の原因

現在日本国内では木地師の高齢化が進んでおり、廃業していく職人が多く、今現在頑張っている木地師も数年後はかなりの数が廃業していることが考えられます。
しかもそれらの木地師たちには後継者がいないため、木地師の技術が受け継がれていっていないのが現実です。

昔は弟子を取って技術を継承し、一人前になるまで面倒見てくれる師匠のような存在がいました。その師匠に椀木地の技術を学び独立するのが当たり前だったのが、今では漆器のの需要低下に伴い弟子を取る木地屋が限りなくゼロに近づいています。

また、仮に弟子になれても、弟子の期間は生活できるだけのお給料は望めません。そのため、弟子になりたい人や木地師そのものになりたい人も減っています。

椀木地の技術が継承されていないため、木地師が減っているのです。

木地師と知り合えない理由

木地師のほとんどは漆器の産地に工房を構えています。
産地で活動している作家さんなら知り合う可能性は高くなりますが、都会に住んでいる作家さんや大学や漆教室などで漆を学んだ方が、すぐに木地師と知り合うのは人からの紹介などがなければ難しいでしょう。

また、木地制作を学んで挽ける人がいたとしても、椀木地を専門に受注している人が少ないのも事実です。理由は木地師が作家化しているためです。
漆器を学ぶ際、木地制作も塗りも勉強し、一から自分の手で漆器を制作する漆作家さんは多くいます。
(※正確には木地師の作家化ではなく、木地制作と漆を塗る作業が分業される以前の「木地師が塗りまで行っていた時代」と同じ状態の木地師が多いというのが正しいと思われます。)

しかし大きな会社で木地を挽いているところなら別ですが、個人で木地を挽いている人で作家さんの為に椀木地注文を受け、毎日木地だけを挽いている木地師は全国的に見ても少ないように感じます。木地を勉強しても、自分の作品の為に木地を挽く人が多いのです。

1個からの注文は受けてもらえない

椀木地専門に扱っている木地屋に出会えても、1個から注文を受ける木地屋がほとんどいないのも現実です。
昔からの流れで、椀木地屋は塗師屋さん向けの大量受注方法を取っています。業界全体がそのやり方で、今もほとんど変わっていません。

そのため、個人の作家さんからの注文に1個から、丁寧に受注してくれる椀木地屋はとても少ないと言えます。一度にたくさん注文しないと木地を挽いてもらえないのです。
木地屋から見ると、1度に大量に注文してくれるお客様からの注文の方が儲かるし、ありがたいという現実があるからです。

WEB対応していない木地屋が多い

木地屋の営業状況は、昔ながらの対面でのやりとりが今も続いています。その理由には、木地師が高齢化しているためWEB社会に対応できていないことが考えられます。
また、生きた木材を扱う特殊な産業でもあるため、WEBで対応するのは確かに簡単ではないのも事実です。
そのため、WEB上に現役の木地師の情報が少ないのが現状です。

椀木地注文はWEBの時代

これまでお話ししてきたことが「個人では納得いく木地が手に入りにくい」理由で、今の木地屋の現状だと僕は考えます。

しかし、現在はWEBでいろいろなサービスが開発され、1人に1台スマホを持つ時代となりました。図面もスマホで写真を撮ってメールで簡単に送れます。

実はWEBで注文を受けるのはさほど大変なことではありません。そこで僕はこのWEB社会に対応することで、作家さんに納得いく木地を届けたいと考えました。

辻椀木地木工芸はWEBで注文できる

辻椀木地木工芸は以下の5つのステップでWEB注文を行っています。

1. WEB注文フォームからご予約可能
2. 詳細な打ち合わせ
3. 試作品・1個からの注文に対応
4. ご納得いくまで微調整
5. 納品・量産対応

辻椀木地木工芸にWEB注文するメリット

・1個から注文できる。
・試作品の注文・微調整が納得いくまできる。
・椀木地の材料がある場合は最短で納品できる。
・気軽に質問できる。
・細かい要望に応えられる。
・1度ご注文受けたお客様とのやり取りをカルテ可。次回注文時にスムーズに注文。

辻椀木地木工芸にWEB注文するデメリット

・1個からの注文だから、大量生産の木地より割高になる。
・大量注文の場合は納品に時間がかかる。

まとめ

今日は、辻椀木地木工芸が「漆作家さん向けに椀木地WEB注文を行う理由」についてお話ししました。
納得いく漆器作品を作るために是非、辻椀木地木工芸のWEB注文フォームよりご連絡ください。ご相談にもお答えします。
辻椀木地木工芸はあなたの作家人生をサポートしたいと思っています。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。